Vol.878 15.Sep.2023

M5StickC(9)〜I2C接続ADC-HATの製作 動画作成ソフト

M はじめての M5StickC_Plus (9) 〜I2C接続ADC-HATの製作

by fjk

 M5StickC_PlusのI2C接続をテストするため、16ビットADコンバータMCP3425(秋月電子、K-08018、350円、差動入力、I2C接続)を使用し、さらにMCP3425をプロトHATに納め、電圧測定を行った。

  1. ハードウェア
     MCP3425は、小型SOT-23-6パッケージに収められた、差動入力と最大16ビットの分解能を備えたシングルチャネルの低ノイズ・高精度 ΔΣA/Dコンバータで、オンボードの高精度2.048V基準電圧により、差動で±2.048Vの入力範囲が可能になる (Δ電圧 = 4.096V)。MCP3425は 2線式I2C互換シリアルインターフェイスを使用し、2.7V〜5.5Vの単一電源で動作する(ただしM5StickCのI2C信号は3.3V)。
    ・MCP3425のコンフィギュレーションレジスタ(0x00書込みならレジスタの変化無し)
    b7: RDY(書込み時[1:変換スタート]、読込み時[1:変換中(ビジー)])
    b6-5:未使用、
    b4: O/C(1:連続変換、0:ワンショット)、
    b3-2:レート(00:12bit、01:14bit、10:16bit)、
    b1-0:ゲイン(00:1x、01:2x、10:4x、11:8x)
     
    ・MCP3425のI2Cインターフェース(バイト単位、MCP3425アドレスは0x68、*はMCP3425出力)
    書込: アドレス指定(R/W=0)、コンフィグデータ、(3バイト以降は無視)
    読込: アドレス指定(R/W=1)、*ADC上位バイト、*ADC下位バイト、*コンフィグデータ

    試作ADC-HAT回路図

    HAT基板(表)

    HAT基板(裏)

    ADC-M取付
  2. I2C通信テスト
     まず、I2Cで使用する端子を指定する(SDA:G0、SCL:G26、通信速度は400kHzでも動作可能)。次に、使用可能なI2Cのアドレスがあるか確認し表示、さらにアドレススキャンでそのアドレスを表示。
     I2Cアドレス104(0x68)が検出されており、無事I2C通信が出来ていることが確認できた(ラベル2は2進数,ラベル3は16進数で参考表示)

    I2C通信テストUIFLOW

    I2C通信テスト画面(i2c-test.m5f)
  3. 「コンフィグデータ」が書き込めない!
     最初に、write_u8()メソッドでコンフィグデータを書き込んでみる(下図左)が、何故かコンフィグデータを書き換えることができなかった(デフォルトのまま)。
     そこで、書込み時のオシロ波形を見ると、0xD0、0x00、0x18 と3バイトが書き込まれている。MCP3425は第2バイトをコンフィグデータとみなすので、cnf = 0x00(変化無し)となっている。
     それではと、write_data()メソッドを使ってみる(下図右)と、0xD0、0x18とI2Cデータが送られ、無事コンフィグ設定を行うことが出来た。

    ★★★I2Cデバイスのレジスタを使わない場合は、write_u8()ではなく、write_data()メソッドを使うこと。

     

    @ write_u8()メソッド使用(config書き込み時)
    (0xD0,0x00,0x18)

     

    A write_data()メソッド使用(config書き込み時)
    (0xD0,0x18)
     ちなみに、I2C読込が read_reg()メソッドでも出来ていた(下図左)が、どうも動作が不安定。そこで、読込データをオシロで確認すると、マスタからアドレス送信の後、しばらくクロックの無い時間があり、その後にMCP3425から3バイトのデータが送られている。
     そこで、read_data()メソッドで読み出してみる(下図右)と、3バイトのタプルとして読み出され、MCP3425からのデータ送出時間の遅れも無い。

    ★★★I2Cデバイスのレジスタを使わない場合は、read_reg()ではなく、read_data()メソッドを使うこと。

     

    @ read_reg()メソッド使用(data読み出し時)
    (0xD1送信後、無クロック期間がある)

     

    Aread_data()メソッド使用(data読み出し時)
    (0xD1送信後、即3バイトデータが送出)
  4. 読み出しデータの加工
     3バイトのタプル(tpl)はラベル0に表示し、tplの1バイト目はADCの上位バイト、2バイト目はADCの下位バイト、3バイト目はコンフィグデータ(cnf)で、以下の式で各データを取り出した
    adc = tpl[0] * 256 + tpl[1] ・・・・・・ラベル1に表示
    cnf = tpl[2] ・・・・・・・・・・・・・・hex(cnf)でラベル2に表示
    その後、負号付き数値を確認・処理後、以下の式で電圧(vlt)に変換し、ラベル3に表示
    vlt = (vlt * 2.048)/(2n-1−1) ・・・・・・nは設定ビット数
  5. UIFLOWで電圧の測定・表示
     「adcへのタプル変換」、「16進数への変換」、「負の数への変換」は既存ブロックでは実現できないので、「コードを実行」を利用した。また、最終的な電圧表示の小数点以下は3桁とした。
     測定値adcは符号付の数値なので、32,767を超える場合は負の数として、負数に変換した。
    vlt = −(0xFFFF ^ adc) − 1 ・・・・ビット反転後、負号を付け、-1を加算
     電圧の測定値は、誤差0.001V以下の高精度で測定することが出来た。
     なお、測定電圧が基準電圧を超える場合は、入力部に分圧回路を利用すること。

    UIFLOWのBlockly画面(adc-hat.m5f)

    ADC-HATを取り付けて電圧測定

    乾電池を測る(HATにシール貼付)


V 【超入門】動画作成ソフト

by TMX

 北海道ツーリングで撮ってきた写真や動画をスライドショーやビデオにしようと編集ソフトを調べました。ネット検索するといろいろ出てきますが、無料で簡単に編集出来るものを探しました。また、編集に時間がかかり、途中で挫折することが多いらしく、操作方法もHpや動画がある方が便利です。これらを踏まえて検索すると、トップページにWondershare Fimora12、サイバーリンクの PowerDirector 365 とMicrosoft Clipchampが出てきます。特徴は次の通りです。

  1. Wondershare Fimora12はモダンで直感的な操作画面、初心者でも動画結合・トリミングなどの編集をサクサクできます。 トランジションエフェクト数も豊富、動画と動画の間ををよりスムーズにつなげられます。 使いやすさが高評価、テンプレートをプリセット、安心サポートと書いてあります。
  2. サイバーリンクの PowerDirector 365 は、直感的でかんたんな操作で編集できる動画編集ソフトです。優秀な編集ツールと、豊富なデザインパックや商用利用可能な動画素材などを使うことができ、初心者から上級者まで幅広くおすすめできます。 ホームビデオや趣味の動画制作、YouTube 向けの投稿動画の編集などに最適と書いてあります
  3. Clipchampは、Windows 10でのビデオ編集のためのあなたのゴートツールです。 そのユーザーフレンドリーなインターフェイスと編集オプションの広範な範囲を使用すると、簡単にシンプルまたは詳細なプロジェクトに取り組んでいるかどうか、高品質のビデオを作成することができます・・・といろいろと特徴が書いてあります。

 動画作成ソフトは編集に時間がかかり、また、操作の不慣れなことから、途中で挫折することが多いらしく、最初は簡単で、多機能な物を避け、慣れてきてから変更すればいいと思います。
 
 動画編集ソフトの操作画面はどれもよく似ていて、素材の表示画面、タイムラインの画面、編集の確認画面と概ね3つの画面で構成されています。

動画を作る手順は次の通りです。
@ 素材(写真、動画、音楽など)を用意する(メディアのインポート)
A 素材をタイムラインに乗せる
B 写真の配置、動画の編集、効果を付ける
C テキスト(テロップやタイトルを載せる)
D 音楽を乗せる(効果を付ける)
E 書き出し

 最初はWondershare Fimora12を使い、書き出ししたら透かしとロゴが入りました。ソフトを購入・登録しないと消えないとわかりました。使いやすく、ソフトの動きも軽く良かったのですが残念です。
 今回はWindows標準ソフトのClipchampで作成してみました。これも操作が簡単で、作成方法動画もたくさんあり、入門動画作成ソフトとしてお勧めです。
Clipchampの無料版は1080p HDまで透かし無し出力が可能(但し、プロ機能を使うと透かしが入る)。1,374円でEssentialにアップグレードすると、透かし無しの4K_UHDまで出力できる。


※ 本レポートの参考・利用は、あくまでも自己責任でお願いします。


M5StickC(9)〜I2C接続ADC-HATの製作 動画作成ソフト